初西尾維新

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)


知人に薦められていた西尾維新作品を読んでみようと思い立ち、早速処女作の「クビキリサイクル」を購入。そして読了。


結論。西尾維新。いーじゃん。


登場人物の会話に違和感を覚えたものの、逆にその分キャラがしっかりと”立って”いて魅力的。文体も独特のスピード感があって、それがわたしのリズムに心地よく同期して、あっという間に読み終えることができました。良くも悪くもマンガ的。


本作は基本的に密室ミステリーの体裁をとっているものの、いわゆる本格のそれを期待すると肩透かしを食らいます。そもそも密室トリックそのものが本作の主眼じゃないし。だから密室トリックに関しては、流石にちょっとそれはないんじゃないの?という気がしたのだけれど、まぁそれは気にしない方向で(笑)


じゃあ、なにが本作の魅力かと言うと、これはもう登場人物の極大化された記号的魅力と、ストーリーの振り回し方と落とし前のつけ方。先にマンガ的と評したけれど、これは本という媒体じゃないと得られない快感だと思います。


ということで、まだ1作しか読んでませんが、西尾維新さん、わたしのデフォ買い作家さんの仲間入り。


(追記)で、登場人物たちの会話のどこに違和感を覚えたのかなー、とつらつら考えてみるに、それは登場人物たちの台詞のあまりの青臭さ(^^;)
自分が必死になって脱ぎ捨ててきた若さゆえの過ちを、眼前に突きつけられているような居心地の悪さ。ハチクロの野宮が真山を見るときのような感じというんでしょうか(笑)